豊かで生き生きとし、生命の生まれ変わりが永遠に続く(輪廻転生)ことを見事に表現するマジック・ロータス・オートマトン(MAGIC LOTUS AUTOMATON)の動きは、静かな禅の庭園での瞑想と黙考へといざないます。 生命の輪廻転生は、アジアや古代ギリシャ、そして他の一神論信仰において古くから存在する概念で、復活そして再生が、地球や天体の動きにより絶え間なく移ろう季節によって日常でも実感されています。ジャケ・ドローはこの絶え間ない動きを新作オートマタの季節に応じて姿を変化させる蓮(はす)によって表現しています。自社で設計から組立てまで行ったこの新作オートマタは、4分間という比類のない長い作動時間を特徴としており、その間、自然主義的なフレスコ画が優雅な美を演出します。
文字盤には最高峰の装飾工芸技術によって生み出された動植物が詳細に表現され、4輪の花が4つの季節、または生命の局面を表しています。3時位置のマザー オブ パールの蕾は閉じた蓮の花をイメージしています。立体的なレリーフが施され、ゴールド製の花びらの花冠は季節の始まりである「春」を示す一方で、その左側の完全に開花した蓮の花は夏を表しています。このシンプルな細密装飾工芸はジャケ・ドローの装飾工芸技術の結晶です。マザー オブ パールから彫刻した花びらは、半透明の塗料の薄い層で覆われ、そのボリュームを増しています。その中心に配置されたゴールド製の爪がついたイエローサファイアは、今にも風で舞い上がり、新しい蓮の花に息吹を吹き込もうとする雌しべと雄しべを表現しています。その傍らでは、風に運ばれて水に落ち水流に流された蓮の花が3番目の季節「秋」を示しています。そして6時位置の蓮の花の種子のさやは「冬」をイメージしています。蓮の種子のさやは、この季節に水中へと沈み、自然と地中に埋められ、貴重な種を保護し、来春に新たな蓮の花を咲かせます。ジャケ・ドローは、このモデルに7個のダイヤモンドを配置し、殻の中に見える蓮の種をデザインして、安全な場所に保護された命の輝きを表現しています。
マジック・ロータス・オートマトン(MAGIC LOTUS AUTOMATON)の文字盤は3つのパートで構成されています。固定された1つ目のパートは、2本のゴールド製時分針で時を示すオニキス製インダイアルです。その周囲では、葦の枝と3枚の蓮の葉が配置された三日月形の固定式ディスクに蓮のライフサイクルが表現されています。この構造は全体が回転する 3 番目の周辺ディスクの上に浮いています。 類稀(たぐいまれ)な2つの動きが詩情を漂わせる背景の中でタイムピースに息吹を吹き込んでいます。その1つ目は、長寿、勇気、そして忍耐のシンボルとして知られる「鯉」です。ジャケ・ドローは、究極のミニチュアアニメーションで鯉に2つの動きを与えています。流水の中を進んでいる印象を与える尾びれの動き。そして、垂直方向の上下の動きが、川の中を泳ぎ回る様子を演出しています。メゾンの装飾工芸技術を駆使する職人が手作業でゴールドを加工し、彫刻を施したこの鯉に、生き生きと漂う蓮を対置させています。蓮の花びらはマザー オブ パールで加工されており、その中心はかつてない動きを披露します。時刻を示すインダイアルや蓮の葉の下を通過するごとに、蓮の中心部は新たなストーンを身に纏い、ブルーサファイア、イエローサファイア、そしてルビーへと代わる代わる変化し、毎回同じストーンが同じ場所に出現しない仕組みに設計されています。このように蓮の花の中心部の色は、川を巡るたびに、同じストーンが連続してでることなく、ひっそりと4回変化するようになっています。
直径43 mmのマジック・ロータス・オートマトン(MAGIC LOTUS AUTOMATON)は、レッドゴールドまたはホワイトゴールド(世界限定各28本)で製造されています。ケースバックからは、ブリッジとローターに手作業で自然を表現した独自の彫刻が施されており、とりわけ鯉と蓮の花は、文字盤に彫刻された同じモチーフと対を成しています。ムーブメントの彫刻されていないパーツは、すべてに手作業で装飾および面取りが施されています。4つの特許を申請中の新作オートマタは、ジャケ・ドロー史上最も繊細な文字盤を備えています。ムーブメントは600個以上の部品で構成されており、その開発には3年以上の歳月が費やされています。これによってマジック・ロータス・オートマトン(MAGIC LOTUS AUTOMATON)は、4分(8回転×30秒)を超える動作を可能にしています。この長いオートマタの動作の進行は、8時と9時位置の間に配置された、手作業で彫刻と彩色が施されたレッドゴールド製のトンボによってパワーリザーブが表示されます。下って行く動きはアニメーションのパワーリザーブを示しており、これはリューズで最大まで巻き上げることができます。オートマタのパワーリザーブが尽きると、トンボは蓮の葉の上に待避し、この落ち着きのある極めて豊かな禅の庭園から川へと舞い戻る準備を整えます。これはジャケ・ドローの歴史の新たな1ページを象徴する生命の永続性を反映しています。